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  金沢こども医療福祉センター様で働いている職員様は、いつも穏やかで笑顔の方が多い印象ですが、仕事を行う上で大切にされていることがあれば教えてください。

  

  私たちの患者様は、お子さんになります。
  重度の症状の子も少なくなく、不安を持っているお子さんや親御さんが来られますので、自分たちは出来るだけ笑顔で声掛けしたり、話しかけやすい雰囲気作りを心掛けて接しています。
  実際、患者様の中には反応が分かりにくい方もおられます。スタッフがテンションを上げてその子の刺激や元気の素となるように、ささやかでも反応が得られるように努めていますし、患者様の些細な表情・反応を見逃さないよう意識しています。
  また、スタッフの精神衛生が保たれていると心にゆとりができ、センターを利用される皆さまに自然と明るく接する事が出来ます。スタッフ間でもお互いに思いやりを持つことで、仕事もスムーズに進みますので、センター内の雰囲気はとても大切にしています。と同時に、私たちも子供たちの笑顔から大きな力と喜びをもらっていますので、義務感というより、つい笑顔になってしまうのかもしれませんね。

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  金沢こども医療福祉センター様の使命や社会貢献についてお聞かせください。

  

  身体の不自由な子供たちが入院する施設（肢体不自由児施設）は、石川県ではここにしかありません。
  近年この様な施設が次々と無くなり、１施設も存在しない都道府県もあります。
  身体に不自由のある子供たちが、社会的に自立できるように取り組む治療と、専門的な教育を兼ね備えた「療育」の火は消してはいけません。この場を無くしてしまったら子供たちが行く場を失ってしまうため、ここだけは最後の砦として存在し続けることを目標としています。
  その中でも、ただ存在し続けるだけでなく、専門性を高めるための知識の習得と高度な技術を磨き、それを次世代へ繋げていくことが私たちの使命だと考えています。

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  当システムを導入されたきっかけは何ですか。

  

  当センターは昭和33年からのカルテを保管しており、いずれカルテを保管する場所が無くなるであろうと不安を抱えていました。また、紙のカルテは手元に無ければ閲覧ができません。情報を共有出来たとしても、どうしても時間差が生じてしまい、各スタッフの持っている情報がバラバラという現状もありましたので、何とかしたいとずっと思っていました。
  そこで、これらの諸問題に対して何度となく話し合いの場を設けてきましたが、何をどうすれば良いのか具体的な解決策が見当たりませんでした。
  ただ、これらの問題はカルテが紙であることが共通要因でしたので、電子カルテにすればまとめて解決するのでは？との考えから、電子カルテのシステム導入に踏み切りました。

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  システム導入にあたり、他のメーカーとの選定方法などをお聞かせください。（システムの機能差異や営業の対応など）

  

  システム構成は「クラウド」である点と、何かあった時、近い場所で支えて下さる業者がいるという安心感を重視し、「アフターケア」に注目しました。
  実際検討したシステムは３社あり、どのシステムにも強みがありましたが、大きく２社で意見が割れました。
  当センターのスタッフの中には、他の病院で富士通の電子カルテシステムを使用していた経験者が複数名おりましたので、システムに対する敷居が低かった分親近感がありました。
  また、富士通の電子カルテシステムを運用し、当センターと類似する医療機関に見学へ行ったことが大きかったです。職員の動きや各部署の運用風景を直に見て、そこで働く職員から、システムの強みと弱みを包み隠さず本音で聞くことができました。
  オープンな意見を聞くことで、当システムを導入した後の姿がリアルにイメージ出来ましたし、導入作業の際に必要なことを前もって準備することもできましたね。

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  導入作業はどのように進めましたか。また、工夫などありましたらエピソードをお聞かせください。

  

  システムに登録する項目（マスタ）の構築については、担当者を決め各自進めていきました。参考文献を読んだり現行の作業項目を見直し、今のやり方を完全に正とはせず、システム構築を機に整理しながら取り組みました。
  例えば「経過表」という機能のマスタ構築では、いかに自分達の病棟運用に合わせるか細かい点まで妥協せず見直し、夜遅くなる事もありました。
  導入作業の中でも、部署間の連携調整が一番難しかったのですが、それは課長が主体となり運用を擦り合わせることで、衝突することなく話がまとまりました。各部署でリーダーを筆頭としながら、各々が自然と同じベクトルに向かっていく行動が目立ちました。
  
  このように、皆の進む方向が一本となった背景には、小さいながらも理由があるんですよね。
  例えば事務長。各部署への連絡事項は、電話で済ませることなく足を運び口頭で伝達していきました。
  電話１本・メモ１枚とは違い、直接顔を出し伝える事で、その部署で抱える問題や見落としも拾えましたし、次に何をすべきか、いつの会議までに何が必要かなど、記憶に残りやすく重要度も伝わりました。小さな意識的差異も都度軌道修正できていたような気がします。
  また、うちの外来看護師長は視点が鋭かったですよ！
  WGで決まった内容も、決定事項に対してどういう意味なのか、具体的な現場の動きに置き換え、シミュレーションして見えてくるズレを明確に示してくれました。早期段階であいまいな誤解を修正していったため、結果、大きな後戻り作業無く進めることができました。システムを入れる事で新たに考えるべきポイントをはっきりさせ、バラバラにスタートしないよう、理解したつもりから、正確な理解へと固めてくれたリーダー力が見事でした。
  とは言え、若手も頼もしかったですよ。
  このようなリーダーの下、稼働前から実運用に即した練習も盛んに実施していましたが、操作など直観力に長けている若手の習得は早く、どんどんスキルアップしていきました。
  若い職員がリーダーや先輩に教える立場として動くなど、分かる人が教える体制が出来上がり、センターの皆で盛り上げる雰囲気が良い結果に繋がったと思います。
  誰一人として脱落する者はいなかったこのプロジェクトは、大成功だと言えるでしょう。

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  システムを導入して良かった点、気に入っている点は何ですか。

  

  病棟は、ToDo（メール機能）をよく使っています。
  連絡をToDoで送付すれば、既読・未読の管理ができ、どうしても知って欲しい連絡事項が皆に行き渡ったかを把握出来ますし、送付先が看護師全員だとしても、グループで一斉送信できるので、簡易操作で済みます。また、文字で記載が残りますので、忘れた内容も誰かに聞いて回る必要もなく、後で見直し確認する際にも最適です。
  情報共有という点では、非常に効率良くなりました。
  カルテ記載者の文字癖に左右されることなく、指示も記録も正しく把握出来るようになりましたね。

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  システムそのものに対して、あるいはシステムを導入して病院全体としての今後の期待はありますか。

  

  当センターには、「そよかぜ」という併設する福祉部門があります。
  我々は、福祉部門で収集された情報を電話などで確認していますが、医療部門に全てが伝わってくるわけではないので、患者様の情報を活かしきれていないことが非常に勿体無いと感じています。
  双方の持つ情報が一元管理され、データで多くを共有できれば、職員の作業効率も患者様へのケアの質もより良くなりますので、医療部門と福祉部門に壁のない環境を作りたいです。
  
  一方、病棟ではシステムを入れたことで見えてきた点があります。
  看護師は「看護記録の充実」を常に求められており、今までは、処置など医師指示を転記することで記載ボリュームが増し、記録した気持ちになっていた部分があります。
  カルテが電子化されたことで、処置などはチェックで済むようになった分、今までの転記作業がカットされ、本来看護記録として記載すべき事（看護計画に即した内容の記録）に集中できるようになりました。
  以前は看護計画に上がらなかった事も問題として話題に出てくるようになり、無駄な作業が削減された分、看護業務の精度が上がってきているのを感じ始めていますし、自分達の看護の質がより向上する事を期待しています。
  
  支援課としては、以前は患者様の症状と実施内容を評価するために、わざわざカルテを閲覧させてもらいに行く必要があり、カルテの閲覧自体に敷居の高さを感じておりました。
  カルテの閲覧が簡易的になった今、各部署の記録内容が即時に取り出せるので、患者様の症状とケア状況を他部署間で評価し、実施内容を高め合い、部署を越えた新たな取り組みの突破口になるのではないかと期待しています。

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  システム選定～導入作業～稼働～現在（システム稼働半年を経過）までの一連を経験し、過去の自分たちにアドバイス・一言伝える事が出来るとしたら何かありますか。

  

  マスタ作成を外来と入院部門で分けて作業しましたが、外来処置と入院処置では共通する部分も多く、その辺りは一緒に進めていたら、もっとスムーズだったかなと思いますね。
  医師、看護師、事務など役割分担の点でも、実際動き出してみると、それぞれの担当領域が想像していたものと違うところもあり、マスタ作成以前の洗い出し（作業分担の確認）を早くから行い、細かく決めておくべきだったと感じています。
  ですが、一番伝えたいことは他にあります。
  電子カルテの導入作業を通して、職員が一体となって一つに向かって取り組む力、やり遂げる力があるのだと実感しています。頑張りの先には達成感・充実感が待っていました。本当にみなさんよく頑張りました。

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  弊社（永和システムマネジメント）の印象はいかがですか。
  ※率直にどうぞ

  

  業種（システムエンジニア）のイメージが先に立ち、初めは固い感じがありました。
  しかし、プロジェクトリーダーをはじめ、皆さんとても優しくフランクに接してくださったので、すぐに最初の固い印象はなくなりました。本当に相談しやすい方ばかりで、初歩的な質問でも、同じ質問を何度重ねても嫌な顔をせず丁寧に答えてもらえ、気兼ねなくいろいろなことを聞くことができました。各部署から次々分からない事が出てくるので、永和さんの姿を見つけると「ちょうどいいところに！」という感じで、途中からは愛称で呼び寄せるようになったくらいです。
  でもさすがプロです。こんなに温和で人間味のある方々ですが、何を尋ねても即答です。いやぁ、レスポンスはコンピュータより早かったですね（笑）。
  毎日夜遅くまでここセンターに詰めていて、懸命に作業に取り組まれる姿も見てきましたので、頭が下がる思いでした。
  
  今思えば、私たちはこのメンバーにシステムを立ち上げてもらえ、最高のチームに恵まれたと思っています。ラッキーだった、当たりだったと言っては不適切な表現かもしれませんが、本当にみなさんに感謝しています。

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  弊社を一言で表すと何になりますか？

  

  『近未来型のまごの手』です。
  初めてこんなに深くシステム屋さんと一緒にお仕事をさせてもらいましたが、自分達と頭の仕組みが違う生き物…と言いますか、思考が別モノに感じ、まるで「よその国の人達」の様に見える時がありました。
  長きに渡り専門で作業してきた我々も、今まで見聞きしなかった新しい視点で、いろんなパターンを提示してくれることもあり、先生（コーチ）のごとく相談するようになっていました。
  ただシステムを導入するのではなく、業務改善のアドバイザーとして我々を先に先にと導いてくれる姿は、かゆいところが出てから手を伸ばす現代のまごの手ではなく、かゆいところを事前に察知し、先回りして手を伸ばして待っていてくれる「近未来型のまごの手」のようです。
  まごの手、それは温かみと便利さを兼ねた存在として、永和さんを表現してみました。

お客様からの一言

センター長／櫻吉 啓介 様